味わうほどに広がるふくよかな梅の香り
やわらかい求肥でなめらかな白あんをくるみ甘酸っぱく漬けた赤しそで大切に包みました。
甘さの中に赤しそと梅酢の芳醇な香りが広がる濃いお茶とよく合う味わい深いお菓子です。
<明治から変わらぬ味>
「水戸の梅」は水戸の名所である ※1偕楽園の梅をモチーフとして作られました。
明治25年に2代目林亥之吉が、漬物商を営むかたわら、地方名産品として郷土色を十分に生かした菓子の製造販売に目を向け、「江戸天保年間に、徳川水戸藩の斉昭公の命により、紫蘇巻梅干を参考としたお菓子がつくられた」という史実を藩の記録により知りました。
その文献にもとづき、煉った白あんをしその葉にくるみ「星の梅」として発売しました。
そして3代目が、この「星の梅」を明治41年に「水戸の梅」と改名し大正年間には宮中にも献上したと言い伝えられております
これが水戸銘菓「水戸の梅」の誕生です。
<3か月以上の手間をかけた赤しそ>
赤しそを収穫し新鮮な内に塩水に1日漬け込んだのちに翌日、梅酢に漬け込み1日寝かせ梅酢を良く絞り塩で7日間漬け込みます。さらに梅酢に漬け込み3ヶ月寝かせた赤しそを洗い塩分を抜いて行きます。良く水気を絞り蜜で煮込みそのまま1日寝かせます。
<受け継がれてきた熟練の職人の技>
白生餡に砂糖や水あめ、水を加えて煉り上げます。材料を入れるタイミングなど熟練された職人の管理のもとで作られます。あんを包む求肥は餅粉と水と砂糖を蒸練機で練り・蒸して作っていきます。白あんを求肥でくるんだ種を赤しそで大事に包みます。赤しその葉は破れやすいため、1枚1枚大切に手作業で広げ種を包み最後につやのある蜜を付けて仕上げます。
作り続けて100年以上、伝統の味を守り受け継ぐ「水戸の梅」は高糖度による防腐効果など、先人の知恵がつまったお菓子であり、今までもこれからも水戸を代表するナンバーワンの銘菓です。
※1水戸の名所「偕楽園」は、日本三大庭園のひとつです。天保13年(1842年)に水戸藩第9代藩主徳川斉昭公により造園されました。「偕楽園」の名は、「古の人は民と偕に楽しむ、故に能く楽しむなり」という中国の古典『孟子』の一節から名づけられました。偕楽園には約100種3,000本の梅が植えられ、かぐわしい早春の訪れを告げてくれます。